ステンレスフレーム加工|すいそうやさん
ステンレスフレームガラス水槽ステンレスフレーム加工について








ステンレスフレームガラス水槽を制作するにあたり、 まず初めに一般的なオールガラス水槽を制作します(普通のオールガラス水槽は、この時点で出荷です)
オールガラス水槽が完成した後に、その上から更にステンレス製の専用フレームを接合します(簡単に書きましたが、実際は高度な経験・技術が必要な作業です)
ステンレスフレーム加工は、数年前まではオールガラス水槽の「オプション加工」としておりましたが、安全面でとても多くのお客様からご好評を頂きまして、今では「オプション加工」ではなく、標準加工としております。
現在はステンレスフレーム加工が定着しているためご質問等は減少していますが、当初は「見た目が悪いのでは?」など、たくさんのご質問やご意見を頂きました。
- 水槽本体の耐久性を最大限に高めることが可能です。
- ステンレスフレームは見た目も美しいヘラライン仕上げを採用しています。
- ステンレスフレーム加工により、長期5年間の商品保障が付きます。
- ワーム、ゴカイなどのシリコン食いによる水漏れを防止できます。
- 地震発生時に水槽がずれて、水槽台からはみ出して発生する水漏れを防止できます。
ステンレスフレームガラス水槽の強み
ステンレスフレーム水槽の特徴ですが、文字より図のほうが分かりやすいので、下記の図を参照ください。

オールガラス水槽とステンレスフレームの間に2mm厚のシリコンを埋め込むことにより、最高の耐久性を実現します。
この耐久性は、ステンレス製のフレームだから生み出せる強度です。
ガラス水槽はアクリル水槽ほどではないものの、水を満水に張ると水圧により、若干ガラスが膨らみます(水槽を真上から垂直に見るか、真横から目を細めて見るとふくらみがわかります)
ガラスが膨らむほどの圧力に耐えるには鉄もしくはステンレスの強度が必要です。
ただ、鉄では塩分により錆びてしまうため海水魚では使いものになりません(正確には、塩分が保つ水分が酸素と作用して錆びらせてしまうため)
プラスチックの薄板で同じような加工をしている会社もありますが、プラスチックではガラスのふくらみに合わせてプラスチックも曲がってしまいます(曲がるだけではなく、突然割れて外れた事例も実際に見ています)
ステンレス素材のこだわり(SUS304 採用)
ステンレスと一言で言っても、質が良くて高いものから、質が悪くて安いものまで色々と種類があります。当社では、ステンレスフレームの素材に【SUS304】を採用しています。
あまり聞きなれない方も多いと思いますが、業界では「さすさんまるよん」と言われています。
ステンレスの種類は大きく分けて「 SUS304 」と「 SUS430 」がございます。
簡単にですが、それぞれの特徴や違いをご説明いたします。
SUS304(オーステナイト) | SUS430(フェライト) | |
---|---|---|
腐食性 | ◎ SUS430より更に錆びにくい |
○ 錆びにくい |
値段 | 高価 | 安価 |
磁性 | 磁石を付けても付かない(落ちる) | 磁石が付く(くっつく) |
成分 | クロム・ニッケル(合金) | クロム(合金) |
保温性 | ◎ 熱伝導率が低く、熱を逃がさない |
○ 保温性が低い |
当社では、ステンレスフレームの素材にもこだわりを持ち、制作しております。
ステンレスの見た目のこだわり(ヘアライン加工)




当社オリジナルのステンレスフレームガラス水槽には一般的なステンレスではなく、「ヘアライン加工」を施したステンレスを採用しています。
ヘアライン加工とは、金属の表面処理加工の一種で、単一方向に髪の毛ほどの細かい傷をつける加工法、および、そのような加工方法による仕上げ方のことです。
ヘアライン加工は、旋盤で表面に傷を付ける方法で施され、表面にはつや消しの効果が生まれると共に、金属的な質感を強調する効果が生じます。
数年前までは「ピカピカ」と光って反射するステンレスを採用していましたが、お客様からアライン加工を希望するご意見が多く寄せられたため、現在は標準でヘアライン加工を施しております。
オールガラス水槽の限界点
当社ではオールガラス水槽を15年以上作り続けてきた実績がございます。
個人のお客様、水槽の卸問屋様、水族館様、熱帯魚店様や海水魚店様、学校法人様、官公庁様など販売先は様々です。
今はオールガラス水槽が主流ですが、その前はプラスチック枠の水槽、更にその前はフルステンレスの水槽(シリコンではなく当時はパテを使用)など、先代を含めこの業界に60年以上携わってきました。
今までの長い間、オールガラス水槽を数え切れない程ご提供させていただきましたが、正直申し上げてオールガラス水槽の限界を感じることが多々ありました。
なぜ、一般的なオールガラス水槽ではダメなのか。
下記にオールガラス水槽について簡単にご説明します。
オールガラスの良い点(メリット)
ガラスとシリコンのみで制作しているので見た目がシンプル
オールガラスの悪い点(デメリット)
ガラスとガラスの間にシリコンを入れて固めているだけの構造の為、シリコンの一部が劣化すると一気に水漏れが発生し、大惨事になる
私は、長年に渡りこの業界に携わっているため、問屋様、ショップ様、個人のお客様から数々の水漏れ事故を聞いておりますし、実際に確認もしております。
水槽メーカーも水槽サイズも様々です。
隠す事でもないので、正直に申し上げますが当社でも一般的なオールガラス水槽を制作販売していた際に、水漏れ事故は残念ながらありました。
お客様のご自宅へ伺い、現状を確認すると目を疑うほどの現状を目の当たりにします。
全面にヘドロのような水が浸水していて、悪臭も強烈です。
水槽の中には魚やサンゴが水に浸かってない状態で亡くなっています。
稀にですが、水漏れの連絡を受けて急いで急行し、確認したところ別の水槽メーカー品であったこともあります。
一部の接着面が剥離すると、決壊が崩れるように一気に漏水するのがオールガラス水槽の特徴です。
ただ、全てのオールガラス水槽がシリコンの剥離を起こすわけではなく、実際に漏水するのは一部です。
「一部の事例なら我が家は大丈夫か」 と思われる方も多いかもしれませんが、万が一、「一部の事例」にご自身が該当すると考えると恐ろしいです。
実際、可能性は0ではありません。
私は、この可能性を限りなく0にすることはできないのか?と、常日頃考えています。
形ある物はいづれ壊れます。水槽用に開発しているシリコンでも必ず劣化は起こります。
水槽内のシリコンの劣化が進めば進むほど水漏れの確率は高くなります。
当社のステンレスフレーム水槽は、水槽の外側とステンレスフレームの間に約2mmのシリコンを埋め込んでいるので、ステンレスフレームガラス水槽を強くお勧めします。
シリコンが剥離する要因について
オールガラス水槽の水漏れの絶対要因は、シリコンの剥離です。
シリコンの剥離、実は様々な原因により発生します。
シリコンの剥離の要因(1)
- 常に水(特に海水)に浸かっていて、バクテリアやワーム等(微生物)の浸食によりシリコンが削りとられるため。
熱帯魚店・海水魚店(特に海水魚店)に足を運び、オールガラス水槽のシリコン部を意識してよく見てください(魚やサンゴを見ていては分からないのでご注意ください)
数年使用している水槽は常に水に浸かっている部分(水面から下)と使っていない部分(水面から上)が明らかにシリコン量が違う事が目で見て分かります。
シリコンの剥離の要因(2)
- 日々のメンテナンスによりシリコン量が減少するため。
アクアリウムを楽しまれている方で、コケの掃除に苦労されている方も多いと思います。
水槽内に付着したコケや汚れを取る際に、皆さまはどのように取りますか?
ガラス面を布やタオルで優しく拭きますか?
多くの方はスクレーパー等で一気に汚れを削ぎ落とすと思います。
それができるのがガラス水槽の最大のメリットです。
アクリル水槽ではズタズタに傷が付くので無理ですね。
話が多少ずれましたが、問題はシリコン部分です。
ガラス面はスクレーパーで一気に掃除して、シリコン部は柔らかい布で掃除する。
でも、これは効率が悪いうえに時間も要します。
布を持った手を水槽から出したり入れたりして水が飛び散りますし、なにより面倒です。
一生懸命、布で拭いても結局シリコン部の汚れはなかなか取れません。
シリコン面もスクレーパーできれいにしている方もいるかもしれませんが、絶対にNGです。
シリコン部をスクレーパーで削すのは、水槽を接着しているシリコン本体をを削る行為で、大変危険でありオールガラス水槽では絶対にしてはいけない事なんです。
当社には多くのご意見が寄せられます。
その中で最も多いのは「水槽の掃除の時にシリコンの部分を気にしないでゴシゴシ磨きたい」というご意見です。
そこで、色々と検討した結果「シリコンガード」を標準装備で施工する異なりました。
シリコンガードは「ワームプロテクト」と呼ばれる加工です。
各社水槽メーカーの保証条件および保証期間
日本国内に水槽メーカーは多く存在します。 しかし、アクリル水槽メーカーに比べ、ガラス水槽メーカーは数えるほどしかありません。 その会社の中でも、国内でガラスやシリコンなどの資材を揃えて国内工場で生産している純国産水槽メーカーはごく僅かです。※アクリル水槽は省きます。 オールガラス水槽を輸入している会社は多数ありますが、それらの会社全体に共通している事が【保証期間の短さ】と【保証条件の厳しさ】です。
保証期間の短さ
水槽メーカーはそれぞれの会社で自社製品に対する保証期間を設けています。
それぞれのメーカーの保証期間を比較します。
最も短い会社では、【3ヵ月】という会社も存在します。
最も長い会社では、【5年間】です。
多く存在する水槽メーカーの中でも、【1年間】と設定している会社が最多です。
私は、保証期間=自社製品に対する自信の表れだと考えています。
保証期間が3ヵ月のメーカーと、5年間のメーカー、私は両社ともよく話しをしていますが、両社では「製品に対する自身やこだわり」が明らかに違います。
保証条件の厳しさ
ガラス水槽メーカーの保証条件はほぼ同じ内容です。
その中で注意する点は、シリコン部にスクレーパーなどの器具を当てた形跡が見られた場合は保証対象外という事実です。
この項目は保証書に記載がなくても、水漏れがおきた水槽をメーカーが原因検査を行った際に発覚すると指摘されて、保証が適用されないケースが多いです。
保証書に書いていないという事を伝えても、「シリコンよりも固いものでシリコンを擦れば、削られるので接着面が剥がれます」という事を言われます。
簡単に言うと製品には問題がないので自己責任ですという事です。
実際にこの事案で、ご相談を頂くことが多くございます。
ステンレスフレームガラス水槽(まとめ)
耐久性について
ガラスとシリコンしか使用していないオールガラス水槽に比べ、ステンレスフレームガラス水槽のほうが構造上耐久性が格段高く、長年安心して愛用できます。
水漏れについて
オールガラス水槽の場合、シリコン劣化による水漏れが発生すると一気に全ての水が漏水するケースが多いです。今までにさまざまなメーカーの水漏れ事故を数多く見てきたため、当社ではオールガラス水槽から撤退し、安全安心なステンレスフレームガラス水槽を開発・制作しております。
ステンレスフレームガラス水槽の保証期間
当社で制作販売しているステンレスガラスフレーム水槽は全サイズに5年間の長期保証を付けています。 保証期間=自社製品に対する揺るぎない自信
数年前は「ピカピカ」と光って反射するステンレスを採用していましたが、現在は改良が進み「ヘアライン加工」を施しています。 テカりも反射もせずに落ち着いたシックな仕上がりでとても美しいです。
水槽メーカーとして、使用期間が何十年経過しても水漏れが100%起こらない水槽を作り、ご提供させていただく事が最終目標ですが、恐らく現時点での素材・工程では難しいのが現状です。 オールガラス水槽は全メーカー、施工方法・使用資材共通です。一般的なオールガラス水槽の場合、万が一水漏れが発生するとドバっと漏水して床一面大惨事になる事もあります。ただし、ステンレスフレームガラス水槽の場合、万が一水漏れが発生してもジワジワと染み出る程度で済むので慌ててパニックになる心配がありません。
すいそうやさんでは、オールガラス水槽は今後一切ご提供することはございません。 当社は、「絶対に水漏れが発生しない水槽」ではなく、万が一「水漏れが発生してもお客様に被害が及ばない水槽」を制作し、ご提供いたします。 現時点で最も安心してアクアリウムを楽しめる水槽。それがステンレスフレームガラス水槽です。